Webアプリ開発においては「軽量で高速」「サーバレス対応」というニーズが高まっています。そこで注目されているのが Hono(ホノ) です。
TypeScriptを前提に設計されたこのフレームワークは、シンプルなコードで効率的に開発できるのが特徴。ExpressやFastifyといった既存フレームワークの代替としても関心を集めています。
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本記事では、Honoの具体的な使い方や導入方法、メリット・デメリットなどを整理しながら、他のフレームワークとの違いも比較します。
Honoを実際に試してみたい方や、新しいフレームワークを探している方はぜひ参考にしてください。
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Honoとは

まずはHonoの概要とコンセプトを詳しく見ていきましょう。
フレームワークの概要
Honoは、TypeScriptをベースにした軽量かつ高速なWebアプリケーションフレームワークです。APIサーバやサーバレス環境での利用を前提に設計されており、余計な処理を省いたシンプルな構成が特徴。
コード量が少なくても動作するため、開発効率を高めながらパフォーマンスを維持できます。Node.jsだけでなくDenoやCloudflare Workersなど複数の実行環境に対応しており、柔軟性の高い開発基盤としても注目を集めています。
誕生の背景とコンセプト
Honoの設計コンセプトの中心は「シンプルさ」「軽量性」「高パフォーマンス」です。
必要最低限の機能をコアに据えつつ、ミドルウェアやルーティングといったWebフレームワークとして基本的な機能を持ちながら実行コストを抑えています。
Web標準であるFetch APIをベースに動作する設計思想を採用しているのもポイントです。ブラウザやエッジランタイムとの親和性が高く、開発者が馴染みやすいAPIでルーティングやレスポンス処理を記述できるようになっています。
Honoの誕生背景は、主に次の3つです。
・エッジやサーバーレス環境で高速かつ軽量に動作するWebフレームワークが求められていた
・Web標準APIとTypeScriptを活かした開発体験の向上
・既存フレームワークの重さや複雑さを解消したいというニーズ
これらを満たすためのシンプルで高性能なフレームワークとして設計されました。
Honoの特徴

Honoの主な特徴は、次のとおりです。
・高速で軽量な動作
・多彩な標準機能
・TypeScriptを前提とした開発体験
・幅広い実行環境
それぞれ詳しく解説します。
高速で軽量な動作
Honoは小さなフットプリントで設計されているため、リクエスト処理のスピードは速めです。シンプルな内部構造で余計なオーバーヘッドが発生せず、APIレスポンスも軽快に動作します。
サーバレス環境ではリクエストごとに起動する関数実行が一般的ですが、フレームワークの軽量性はそのままパフォーマンス向上につながります。
多彩な標準機能
軽量でありながらもルーティング、ミドルウェア、バリデーション、Cookie操作など、Web開発に必要な基本機能を標準で提供しています。
外部ライブラリを大量に追加する必要がないため、プロジェクト全体の構造がシンプルになり、依存関係の管理コストを低減できます。小規模なアプリから本格的なサービスまで幅広く対応できるのは大きな特徴です。
TypeScriptを前提とした開発体験
HonoはTypeScriptを前提に開発されているため、型定義が最初から整備されています。開発者は型情報に基づいて補完やエラーチェックを活用でき、バグの少ない堅牢なコードを書くことが可能です。
JavaScriptに慣れている人でも移行はスムーズで、学習コストを抑えながら安全性の高い開発が実現します。
幅広い実行環境
HonoはNode.jsだけではなく、DenoやBun、さらにはCloudflare WorkersやVercel Edge Functionsといったサーバレス環境にも対応しています。
クラウドサービスやエッジ環境でのデプロイも容易になり、柔軟なアーキテクチャの選択が可能です。開発者は利用目的や運用環境に合わせて実行基盤を選択でき、将来的な拡張性にも優れています。
Honoと他のフレームワークの違い

Honoと主な他のフレームワークとの違いは下表のとおりです。
| 項目 | Hono | Express | Fastify | Next.js API Routes |
|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | 軽量なAPIサーバ、サーバレス環境 | Node.js全般のWebアプリ開発 | 高性能APIサーバ | フロントとAPIの統合 |
| 特徴 | 高速・軽量、TypeScript前提、エッジ環境に強い | 実績豊富、エコシステムが大きい | 高速処理、プラグイン拡張が豊富 | Reactと統合、SSR対応 |
| 学習コスト | 低い(シンプルな記法) | 中程度(JS中心、TSは追加対応必要) | やや高い(設定が複雑) | 低い(Next.jsユーザー向け) |
| パフォーマンス | 高速 | 標準的 | 高速 | 小規模用途向け |
| エコシステム | 成長途上 | 非常に充実 | 比較的豊富 | Next.js中心の利用 |
| 実行環境 | Node.js, Deno, Bun, Cloudflare Workers, Vercel Edgeなど | Node.jsのみ | Node.jsのみ | Vercel等のNext.js環境 |
それぞれ詳しく解説します。
HonoとExpressとの違い
ExpressはNode.jsで最も広く利用されているWebフレームワークです。豊富なプラグインや利用実績があります。しかし、コードが肥大化しやすくTypeScriptとの相性も完全ではありません。
一方、Honoは軽量かつ高速で、TypeScriptを前提とした開発体験を提供します。Expressのように大規模なエコシステムはありませんが、API構築を効率的に行いたい場合は、Honoの方が適しているでしょう。
HonoとFastifyとの比較
Fastifyも高速を売りにしたフレームワークですが、プラグインの仕組みや設定がやや複雑で、学習コストが高くなる傾向にあります。
HonoはFastifyと比べれば機能は絞られていますが、コードのシンプルさと直感的な記法が強みです。サーバレス環境やエッジ環境での利用においては、Honoのほうが軽快に動作するケースも少なくありません。
HonoとNext.js API Routesとの比較
Next.jsのAPI Routesは、フロントエンドとバックエンドを統合的に扱えるのが利点です。しかし、処理の自由度は限定的で、大規模なAPIや高パフォーマンスが求められるケースでは力不足になることもあります。
一方、Honoはフロントエンドを内包せず、APIサーバに特化しているため、バックエンド部分を効率的に開発できます。フロントエンドはReactやNext.jsなど別のフレームワークに任せ、API部分だけを軽量に構築したい場合はHonoが適しているでしょう。
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HonoでWebアプリ開発するメリット

HonoでWebアプリ開発する主なメリットは次の4つです。
・パフォーマンスが高くスケーラブル
・開発効率が向上する
・学習コストが低い
・サーバレス環境に強い
それぞれ詳しく解説します。
パフォーマンスが高くスケーラブル
Honoは設計段階から高速性を意識しており、処理のオーバーヘッドを極力排除しています。
リクエスト数が多い環境でも安定して動作しやすく、スケールアウトにも対応しやすいのが特徴です。APIサーバやマイクロサービスの構築においては性能面での優位性が特に大きくなります。
開発効率が向上する
シンプルなコード記法と標準機能の充実により、余計な設定に時間を取られることなく、アプリケーション本来の機能実装に集中できます。
ルーティングやミドルウェアがわかりやすく整備されているため、開発スピードを保ちながら品質を担保できるのは大きなメリットです。
学習コストが低い
Cloudflare WorkersやVercel Edge Functionsなどのエッジ環境に対応している点もHonoの特徴です。
従来のフレームワークでは調整が必要なケースでも、Honoなら軽量設計でスムーズに動作します。サーバレス環境における起動速度やコスト効率を重視する開発者にとっては大きなメリットになるでしょう。
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HonoでWebアプリ開発するデメリット

HonoでWebアプリ開発するデメリットも確認しておきましょう。
・フロントエンドはカバーできない
・成長途上で情報が少ない
・周辺ライブラリやエコシステムが不足
それぞれ詳しく解説します。
フロントエンドはカバーできない
HonoはAPIサーバ構築に特化したフレームワークです。フロントエンド開発に必要な機能は提供していません。UIを伴うアプリケーションを作る場合は、ReactやNext.js、Vueなどのフロントエンドフレームワークを別途用意する必要があります。
フロントとバックエンドを一体的に扱いたい場合には、Next.jsやRemixの方が適しているケースも少なくありません。
成長途上で情報が少ない
Honoは比較的新しいフレームワークなので、ExpressやFastifyに比べて利用者数や情報は少ないのが現状です。検索しても参考記事や実装例が見つかりにくく、導入初期にはドキュメントやソースコードを読み解く力が求められます。
公式ドキュメントは整備されていますが、基本的には英語中心です。
日本語の解説記事や実用的な事例紹介はまだ限られているため、英語が苦手な開発者にとっては学習のハードルになる可能性があります。チームで利用する場合は、教育コストや情報収集の負担が大きくなるでしょう。
周辺ライブラリやエコシステムが不足
ExpressやFastifyのように長年利用されているフレームワークと比較すると、Honoの周辺ライブラリやプラグインはまだ発展途上です。
認証、ORM、セッション管理など高度な機能を導入する際には、他のライブラリを組み合わせる工夫が必要になります。大規模システム開発に導入する際には慎重な検討が必要です。
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Honoはどんな人におすすめ?

特徴やメリット・デメリットを考慮すると、Honoは次のような人におすすめです。
・軽量なAPIサーバを立ち上げたい人
・サーバレス環境を活用したい人
・Expressから移行を検討している人
それぞれ詳しく解説します。
軽量なAPIサーバを立ち上げたい人
小規模なWebサービスやプロトタイプを素早く構築したい場合にHonoは最適です。
必要最低限の設定で動作するため、サーバを立ち上げるまでの時間を大幅に短縮できます。ルーティングやミドルウェアもシンプルに扱えるのも利点です。「とにかく軽快にAPIを公開したい」というニーズに応えられます。
サーバレス環境を活用したい人
HonoはCloudflare WorkersやVercel Edge Functionsなど、サーバレスやエッジ環境にスムーズに対応できる点が強みです。
従来のフレームワークでは調整が必要なケースでも、ほとんどそのまま動作することが多いため、クラウドネイティブなアプリを開発したい人に向いています。
起動時間の短縮やコスト削減を重視する開発者にも適しているでしょう。
Expressから移行を検討している人
Expressは豊富な実績を持っていますがコードが煩雑になりやすく、TypeScriptとの統合も十分ではありません。モダンで高速な開発体験を求める人にとって、Honoは魅力的な選択肢になるでしょう。
シンプルなAPI設計とTypeScript前提の開発環境は、既存のExpressプロジェクトをリプレイスする際にも役立ちます。パフォーマンスや保守性を重視するチームにもおすすめです。
Honoの導入方法と使い方入門

Honoの導入手順は次のとおりです。
- セットアップ
- TypeScript環境の用意
- Honoのインストール
- 実行
それぞれ詳しく解説します。
1.セットアップ
まずは開発用のディレクトリを作成します。
Node.js環境では以下を実行して package.json を生成します。

なお、実行環境によって初期準備は異なります。
Node.js/自社サーバー → Node.js をインストールして上記手順を実行
Cloudflare Workers → Cloudflare アカウント作成+Wrangler CLI
Vercel Edge Functions → Vercel アカウント作成+Vercel CLI
Deno/Bun → 各ランタイムをインストール後、専用の初期化コマンドを利用
2.TypeScript環境の用意
Node.js環境では、TypeScriptを導入して設定します。

DenoやBunはTypeScriptが標準対応しているため、この手順は不要です。
3.Honoのインストール
Node.js環境では以下を実行します。

Cloudflare Workers/Vercel Edge Functionsも同様に hono を追加できます。
なお、Denoの場合はURLから直接読み込みます。
実行方法(Hello Worldコード例)
Node.jsの場合
index.ts

実行コマンド

Cloudflare Workersの場合
src/index.ts

起動コマンド

デプロイ

Vercel Edge Functionsの場合
api/index.ts

デプロイコマンド

Denoの場合
main.ts

実行コマンド

Bunの場合
index.ts

実行コマンド

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まとめ
Honoは、高速で軽量な設計とTypeScriptを前提とした開発体験を強みに持つモダンなWebフレームワークです。サーバレス環境やエッジ環境に対応しており、小規模なAPIからクラウドネイティブなサービスまで幅広く活用できます。
ただし、エコシステムや情報量はまだ成長途上にあるため、導入時にはその点を考慮する必要があるでしょう。総じて、シンプルさとパフォーマンスを重視する開発者にとって有力な選択肢と言えます。






